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2012.02.13 (Mon)

古楽器演奏・バロックの響き

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 引き続きクラシック万歳!!



イヤホンやヘッドホンでの視聴をお勧め致します。



  

ブリュッヘンをして‘ レオンハルトはバッハだ ’と言わしめた
バッハになりきってチェンバロを弾くグスタフ・レオンハルト。
チェロ奏者として若きアーノンクールも出演している。
淡々と曲を演奏するだけの実に地味だが秀逸な映画である。
「アンナ・マグダレーナバッハの手記」より
ブランデンブルク協奏曲第5番。




古楽とは何でしょう?古楽器で弾くとはどういう事なのでしょう?
今でこそ古楽器を使った演奏は、作曲家や時代に応じて特別の事ではなくなって来ましたが、私の学生時代は、華やかなヴァイオリンやピアノの影に隠れてリコーダーやチェンバロは、振り向かれる機会のない地味な存在に甘んじていました。当のリコーダー科の学生でさえ、ブリュッヘン( リコーダーの古楽奏法の先駆者 )の演奏はなじめないと言っていた位、初めは拒絶反応があったようです。もう二十年も前の話です。けれども、リコーダーで芸術的な表現が出来、この楽器をヴァイオリンなどの楽器と同等な地位に高めた彼の功績は非常に大きいものがあります。そもそも楽器に差別や区別などないのだと。
ヴァイオリンの楽譜も、普通の学生は、フランチェスカッティやガラミアンなどの尊敬する演奏家に校訂された、あるいは、えらい先生が使用しているものを好んで使っていて、少しずつ出回り始めていた原典版(ウアテキスト)――作曲家自身が書いたもとの楽譜――はあまり関心を持たれる事はありませんでした。バッハの装飾音も、特に注意をはらわれる事なく、慎重に取り扱われる事はありませんでした。日本では桐朋オケで指導もしていた先輩の、寺神戸亮さんや鈴木秀美さんらがバロックヴァイオリンやチェロを弾き始めていましたが、技術的な面の研究が主で、モダン楽器を古楽器(ピリオド楽器、オリジナル楽器ともいう)にわざわざ持ち替えて弾くことの意味、などを教えてくれる事はありませんでした。
他国からオランダに留学し、ブリュッヘンやその師であるレオンハルト(チェンバロ奏者で古楽の奏法を確立した創始者)の門を叩くと、まず最初に云われる事は、「 17世紀のフランスの詩人であるラ・フォンテーヌの寓話詩( イソップを素材にしている )を読み、ティツィアーノの絵を鑑賞しなさい。」なのだそうです。……つまり、古楽を、その時代に使われていた‘ 古楽器で弾く ’という事が、単に好事家的な趣味なのではなく、伝統や古いものに価値をおき継承していく、保守的な傾向のあるヨーロッパ人にとっては、歴史的・学問的・精神的に意味のある重要な事であるらしいです。留学生に対しても、当時の古典文学や絵画などに親しみ、その‘ 文化 ’――明暗、韻律やリズム、生活・宗教そしてその内に宿る精神的なる物――などを学んだ上で古い音楽を演奏しなさい、という事を要求しています。例えて云えば、ちょっと変わった外国人が日本に留学して、尺八や三味線、琴の演奏家になりたい、と言った時に、先ずは、江戸の絵画や俳諧などの古典文学、書などを勉強して、日本の心( 精神 )を学ばないと心をとらえる様な良い演奏は出来ない、形だけ上手く真似をしてもそれ以上の演奏にはならない、と言われているのと同じなのでしょう。
言うは易く行うは難しで、その大変さを考えると気が遠くなる道のりなので、とりあえず、私は自分のセカンドヴァイオリンをバロックヴァイオリンに改造し――駒を低く調整し、張力を弱めた上で羊の裸のガット弦を張り、あご当ては取り(当時は楽器はあごで挟まず左手で支えていた為)――弓だけバロック弓を購入して、気楽にバッハなど弾いて楽しんでいます。そして気付いた事は、当時の楽譜は当時の楽器と非常に相性が良い、楽器が軽いので弾きやすい、という事で、快感に近いものがありました。是非、皆さんも古楽器による演奏を聴いて、当時の香りを楽しんでみて下さい。もし機会がありましたら、バロックバイオリンやチェンバロを手にしてみると新たな発見があるかも知れません。


バッハ/ブランデンブルク協奏曲(全曲)バッハ/ブランデンブルク協奏曲(全曲)
(1997/11/21)
ブリュッヘン(フランス)

商品詳細を見る

<試聴用サンプル付き>
ごてごてしていない透き通った古楽器の音色と、バロック的正しさと美しさ。光を当てられ‘ 生 ’を謳歌しているかの様なそれぞれの楽器の存在感。バロック装飾の様な典雅で優美なバッハの代表作ブランデンブルク協奏曲。指揮とチェンバロはレオンハルト、ブロックフレーテはブリュッヘン。





    

当時、即興演奏など披露して教会に集まる人を喜ばせた
笛の達人ヤーコプ・ファン・エイクの涙のパヴァーヌ。
ブロックフレーテ(リコーダー)はフランス・ブリュッヘン。




    

チェロの前身であるヴィオラ・ダ・ガンバ。エンドピンは
付いていなかったので、足で挟んでいるようだ。
ヴィヴァルディより少し早い時期にイタリアで活躍した
コレルリのヴァイオリンソナタより「 ラ・フォリア 」。
  




    

バロックヴァイオリンの響き。バッハの音楽の捧げもの。
常に斬新な演奏をするムジカ・アンティカ・ケルン。




テレマン:シンフォニア・スピリトゥオーザテレマン:シンフォニア・スピリトゥオーザ
(2002/07/24)
ゲーベル(ラインハルト)

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こんな演奏聴いた事ない、こんなヴァイオリン聴いた事がない!異次元体験したい方にお勧めの一枚。




 引き続きクラシック万歳!!

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